せとかわデニム語り#3 まみこさん「どこにいたって自分次第」
プロジェクトメンバーへのインタビュー「せとかわデニム語り」も今回で3回目。
きょうの語り手は、まみこさん。
昨年地元である香川県にUターン移住してきたまみこさん。プロジェクトでは、コンテンツマーケティングのお仕事の経験を活かしたイベント企画や情報発信、さらには撮影のときのスタイリングまで、幅広く活躍しています。発足当初から熱い思いを持ってメンバーをリードしてくださるそのパワフルさは、いったいどこから来るものなのでしょうか?
デニプロを発足した瀬戸内かわいい部運営メンバー・みなみさんが聞き手となって、おはなしをうかがいました。
プロフィール
語り手:まみこ
香川県出身。上京しアパレルで広報などを担当。出産後ウェディングの世界でコンテンツマーケティングを手掛ける。言われたことだけをやるのではなく、自分にできることは何かを強く考えるようになり、今年一月からフリーランスのコンテンツディレクターとして働いている。二児の母。
聞き手:みなみ
1987年生まれ、備前市出身。瀬戸内かわいい部の運営メンバーで、せとかわデニムプロジェクトの発起人。PRやデザインの仕事を経たあと、2018年フリーランスになり「地域や文化のためのしごと」をテーマに働いている。かわいい雑貨、工芸、美術館をさがして、カメラ片手に旅するのが好き。
「なにもない」のは、自分が何も探していなかったから
ーよろしくお願いします。ではさっそく、せとかわやデニプロを知ったきっかけを教えていただけますか?
それまで暮らしていた長野から地元の香川に引っ越すことが決まったのが、おととしの年末(デニプロがはじまる直前)だったんですね。田舎から上京する人の中には、地元に何もない、つまらないから出ていくという気持ちがある人も多いと思うんです。当時わたしもそんな感情がありました。帰ると決めたものの、つまらなかったらどうしよう?と。
なので「瀬戸内」というキーワードで、なにか楽しいことはないかと探していたらtwitterで瀬戸内かわいい部が目に入ったんです。さらにEVERY DENIMのデニムを買ったことがあって、せとかわとコラボすると知って面白そうだなと思いました。
ー一度離れてみると、自分の地元って何があるんだろうって考えますよね(みなみさんも上京組)
あの頃何もないと感じていたのは、きっと自分が何も探していなかったからなんでしょうね。瀬戸内を広めたいとか、知って欲しいとかいう以前に、自分がまず「瀬戸内ってなにやってるんだろう」と思ったのが出会いのきっかけですかね。
(香川・高松を散策するまみこさんとプロジェクトメンバー)
「やってみたかった」ができる場所
ー「面白そう」から、実際に参加しようと思ったのはなぜですか?
何かを作ることにすごく興味があったし、これから自分が住む”瀬戸内"と、前から興味があった”デニム”に関わる企画だと知って、さらに興味が惹かれました。
それから、私はふだんウェディングの仕事をしていて、これからも自分で色々企画を作っていきたいと思っているんですけど、デニプロに関わることで勉強にもなるし、横のつながりを増やせるんじゃないかなと思って、参加することにしました。
ーその思いをメンバーのみんなにもよく語ってくださってますよね。
まみこさんは、プロジェクトが始まってすぐからSlack(メンバーの交流のためのオンラインツール)で熱く語ってくださっていて、すごくいい火種を切ってくださったなと思いました。まみこさんがいたから「こんなに自由に意見を出してもいいんだ」とみんな安心して話しだせた気がします。
みんなおしゃべりなはずだけど、とっかかりがないとなかなか話せないですもんね。誰かがすごいリーダー格だとか、誰かの意見に沿って作るというプロジェクトじゃないというのが良かったんじゃないかと思います。
ーこれだけ大勢で進めていく企画ははじめてで、最初は意見が出なかったらどうしようかと思っていました 笑。
年齢なども感じさせないコミュニティですよね。この歳になってもいろいろ挑戦できるんだなって思えるきっかけになりました。そういう空気感があってよかったです。
ーまみこさんはオンラインでもオフラインの会議やイベントでも、とても積極的に動いてくださってますが、あれだけ敏腕に動いて下さるのには何か秘訣があるんですか?
何もしてない感覚なんだけど……笑。自分が形として何かを残したいというよりは、こんなふうに活動をやってみたいという思いが強かったんです。やってみたいけどこれまでやれなかった。デニプロで、自分がやりたかったことをやらせてもらっているからなのかもしれません。
プロジェクトでの役割と意識
―改めて、まみこさんがプロジェクトの中でどんなことをなさっているのか教えてください。
何したっけな?笑。
ー笑。印象的だったのは、夏の会議で「11月のイベントは何のためにやるのか」と話したことです(floatにて開催された、せとかわmeets the デニム)。課題が多い中、まみこさんはマーケティングコンテンツの視点からペルソナシートを作ってくださったり、イベント当日までにすることや担当の割り振りなどを資料にしてくださいましたよね。
やみくもにやってもしょうがないし、このイベントがみんなの意見が統一されるチャンスかなと。この機会に方向性をまとめられたらと思って資料を作りました。
イベント全体の目標も「商品を予約してもらうとか前に、まずはデニプロっていう企画があることや、私たちの存在を知ってもらおう」と認知拡大に焦点を持っていきました。
ーイベントの趣旨を定めるというところで、まみこさんが大活躍でした。最初に目標を言葉にしてみんなで共有したことで、全員同じ方向に意識を向けられたんだと思います。イベントのフォトスポット作りなどもそうですよね。
役に立った!笑。
フォトスポットとして作成したテントのコーナーもそうですね。あれを作ることで「私たちはこんなおしゃれなピクニックをしていくんだ!」ってイメージを共有できたんじゃないかと思います。作っていて楽しかったです!
あのとき、人が集まるとアイデアが生まれることを再認識しました。心強かったです。赤と青しかなかったものが、黄色や白などいろんなアイデアになって落としどころが見つかった…大きなターニングポイントになった気がします。
ちょうど香川に引っ越したタイミングだったんですけど。何かと忙しくてバタバタして。でもみんながフォローしてくれて、ものごとが循環していました。みんなそれぞれ仕事があって、やることがあって大変なんだけど、誰かが大変なときはフォローしあったり。
浅く広くで何者にもなれなかった自分が、このプロフェッショナルが集まる集団でみんなですぐに動けるようになりました。職人さんと支える側といないと回らないし、いろんな役割があっていいと思うんです。
ー浅く広くでも、すべてを網羅しているから全体を見てリードできるんじゃないですか?
良いこと言う!笑。
ーnoteの更新、web発信などやってくださってますよね。まみこさんが手をあげてくださって、プロジェクトが進んでいくうちに役割分担の大切さを感じるようになりました。
ハッシュタグを検索してみて、誰かがこうしてタグを追ったときに、いったいどんな風に見えてるんだろう?と思いました。わたしたちのストーリーが見えるようにしたいなと。みんなで作るものだから、そういったことをやるのは運営側だけじゃなくていいと思うんです。それぞれができることを。
母親であること、仕事、やりたいこと
ー実際にプロジェクトに参加してみていかがですか?
今までやってきた仕事を続けながら、「本当はこういうことがやりたかった!」っていうことをさせてもらっています。勉強させてもらっているという感覚。やってもいいんだ、と思えます。コミュニティに踏み込むのって勇気がいりますけど、ちょっとだけ自分が動くことで勉強になったり自分のことを見返すタイミングにもなります。勇気を出してみてよかったです。
子どもが生まれて、うまく立ち回れなくて、もっとこういうことがしたいのにって思ってる人って多いと思うんです。でも、やってる人がすごいんじゃなくて、ほんの少し勇気を出した人たちがやっているだけだと思うんです。自分がこういう環境だから諦めなきゃいけない、ということはないと思う。
ー見ていて、お母さんでありながらいろんなことをしているって本当にすごいと思うんです。子育てだけでもすごく大変なはずなのに。
母親だけど、別世界があるということで自分を保てるというのもあります。それぞれみなさん大変だと思うけど、頑張りたいことはいっぱいある。それをどこかで証明できれば、と子どもが生まれてから思うようになりました。自分が立ち上げてやるのが難しければ、若い人たちと協力して進めることもできるし。
家のことだけに集中すると、気が滅入りそうになることもあるんです。社会に出て自分だけになれる場所ってやっぱり必要。どんな人が偉いかなんて決められないですよね。みんなそれぞれ葛藤を持ちながら生きてる。人とかかわることが、「自分である」と自覚できるきっかけになるかな。デニプロも若い人たちの集まりだから、最初はいいのかな?と思ったりしました。でも、子どもを産んだママだからこそできることもあると思うんですよね。
ーなるほど。ではそんなまみこさんがこれからやっていきたいことってありますか?
今は目の前のことに集中してるけど……ピクニックシートが誰かの手に渡ったときに、そこで終わりにしたくないというのはあります。メンバーのつながりも大事にしていきたいし、かかわっている人たちとの交流をしていきたいです。スパッと終わりにはしたくなくて、この先もつながっていけたら。でもなにせまだ目の前のことをやっているっていう状況だからなあ 笑。
ピクニックシートを何千枚売るぞ!というでっかい目標というよりは、できた絆を大切にしていきたいなと思います。移住をきっかけに、人生何が起きるかわからないと感じたんです。決めすぎると今が崩れたりすることもあるので、緩やかにいい波に乗れる状況にしていきたいですね。
働き方に関しても、何か生み出す側になれたらと思います。与えられたことをやるだけではなくて、瀬戸内の中で何かを一から生み出したい。自分の働き方に関する考えも変わったから、その感情を大切にしたいです。人生いろいろ変わりましたよ 笑。
ーでは最後に、この記事を読んでくださった方や他のメンバーにむけて一言お願いします!
一番言いたいのは、今の自分にモヤモヤしてる、何かやってみたい、という気持ちがあるんだったら、動いてみるべし!!!!!!立ちどまることもあるけれど、わくわくしながら生きられるといいな。自分が動かないと環境は変わらない。どこにいたって自分次第!以上!笑。
まみこさん、今日はありがとうございました。
現在まみこさんは、ピクニックシートの発売にむけて情報発信のキーパーソンとして活動してくださっています。発売まであと少し、みなさまどうぞ楽しみにおまちくださいませ!
語り手:まみこ
聞き手:みなみ
書き手:ゆゆ
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